その気にさせる工夫とは
ある商品を、意図するように思ってもらうためには、思ってもらいたい内容と関連するものを商品説明のなかに入れたり、商品背景画像として使ってみましょう。
これだけの説明では、少し難しいので具体的に商品を挙げてみます。
例えばこれからの熱い季節を考えて、スポーツ飲料を例にご説明しますね。
スポーツ飲料は、汗で失った塩分らミネラルなどの栄養素を補うということを基盤として
カロリーの消費を促す効果や筋肉をつきやすくするといわれるものなど、本格的な水分補給だけてなく、さまざまな効果がプラスされるようになりました。
例えば、スポーツ飲料の+αの効果として、筋肉をつきやすくするということをアピールするDMがあるとします。
このDMは、ハガキほどのサイズで、スポーツドリンクを販売するドラックストアやスーパーで配ったり、商品棚の近くに置いておくためにつくられています。
さて、あなたはそのDMを手に取りました。
そこで、2種類のDMがあります。
1つは、ジムでトレーニングをする筋肉のついた女性の写真が使われたDM。
もう1つは、カフェで本を読む痩せた女性の写真が使われたDM。
あなたは、どちらのDMなら筋肉をつきやすくするスポーツドリンクを購入しようと思いますか?
多くの方は、前者の筋肉のついた女性の写真を使ったDMではないでしょうか?
ほかにも、オーガニックを謳った野菜ジュースのポスターで
農場のイラストが使われているDMと、
家の中でジュースをコップに注ぐ子どものイラストが使われているDMでは
どちらを見たとき、そのオーガニックジュースを購入しようと思いますか?
恐らく多くの方は、前者の農園のイラストを使用したDMではないでしょうか。
これには、脳が理解するためにカテゴリーに分けたがる性質が理由です。
私たちは、選択は、自分の意思で考えて決定していると思っていますが、脳の性質によるものがほとんどなのです。
びっくりしますよね!
脳は、いつも物事を分類したがっています。
新しいものや最新の情報など、脳は今までの経験をもとにパターンを求めてカテゴリー分けするのです。
そして、そのパターンが間違っていないか、矛盾していないか確かめるためにいろいろと探るなかで
本当はあまり関係のないもの同士でもそこに因果関係をみつけようとするといいます。
そのようにして、実際何も関係のないもの同士を関連づけてしまう傾向があります。
その関連づけが、無意識で次第に思い込みにつながり、商品の購入へと向かうのです。
先ほどのスポーツドリンクの例でいうと、実際にはスポーツドリンクと筋肉のついた女性は関係がなくても「筋肉がつきやすくなる効果」と「筋肉がついた女性」との間に脳が
因果関係をつくることによって、「この商品でこんな風になれるんだ!」と思い込むことによって、より欲しい気持ちになるといわれます。
オーガニックジュースの場合は、「オーガニック」と「農園」を脳が関連づけるのです。
これを逆手にとった手法のポスターやチラシはたくさんあります。
例えば、女優さんがブランドバックを持って街中を元気でハツラツと歩いている写真を使って
お客さんに、このバッグを持てばその女優さんのようになれると脳に思わせるようにしていたり。
(別の目的や意図で制作されるチラシやポスターなどももちろんたくさんあると思います)
脳の性質で少し工夫すれば、お客さんにその気になってもらいやすい状況をつくることができます。
そして、自分もその気になっていることだってあるはずです。
あなたが今度商品を選ぶとき、ぜひ注意してみてみてくださいね。
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デザインを科学しつくりあげ、ムダになりそうなものへ新しい価値と売上を。
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この内容は、あくまで個人の経験によるものですので、売り上げなどすぐに効果の出る確実な方法などとは捉えないよう、あらかじめご了承ください。
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