人をデザインで使う
人の顔や表情はデザインとして使える。
前回はこれについてわかりました。
顔・表情のことで、わかったことがこちらのふたつ。
◆人のコミュニケーションでは、表情が印象を強く左右する。
◆人は顔の認知処理が生まれつき早く、顔があるとそこに注意をはらいやすい。
人は人のことをずーっと考えて、感じてきたので人のことにとくに敏感なんでしょうね。
人の顔と表情をデザインで利用できそうだということまでわかりました。
では、次はその使い方。
具体的にどうすればよいのでしょう?
ここで、もう一つ過去に行われた実験のお話しをさせていただこうと思います。
その実験は、喜びや怒りを表す表情への認知が、人が「これは喜んでる顔だ」とか「この顔は怒っている」と意識できるまでの間も速いということを証明するもの。
実験では、被験者が意識できるほどまでにはわからない程度の長さで素早く幸福の表情と怒りの表情をみせ、そのあと全く関係のない図形をみせました。
その結果、図形を見せられる前に怒りの表情を見せられた人は、図形に対する好印象度が下がったそうです。
これによって、
①人は表情を意識でわかるよりもすばやく認知して(潜在意識で認知)いること
②怒りなどの印象の悪い表情が、モノに与える印象をマイナスにすること
がわかります。
「表情は人の注目を集めやすく、すばやく認知され、表情の内容はモノの印象に大きく影響する」
このことを利用してポスターを作るなら、やはり人の表情を表すものを入れるとよいということになりますね。
ありきたりではありますが、人の表情の写真やそれを表すイラストなど。
デザインを見た人によいイメージを与えたいのなら、表情は明るく楽しそうなものにする必要があります。
また、どんなイメージを与えたいかに関係なく、ただ相手にはやく認知してもらいたいときや分かりやすく伝えたいときも"表情"を使うのがおすすめです。
私たちの人の顔への認知が特殊で、とくに早く行われるからです。
それによって、人の表情があれば注目されやすくて気づいてもらいやすいのです。
つまり、人の表情を使うと分かりやすくもなるということになりますね。
エレベーターの「開」と「閉」のボタンを顔のイラストに変えたところ、ボタンの押し間違えが減ったという例もあります。
ちょっと説明が長くて、分かりにくい内容になってしまったかもしれませんが、人の顔と表情の効果について少しでもお分かりいただけたでしょうか?
人の顔や表情の効果を使って、よりよい印象で内容をみてもらったり、注目してもらいやすいようにしたり。
工夫すれば、その可能性を広げて使えそうです。
SNSの投稿などでも、いいねを集めやすいかもしれません。
使い方はあなた次第。
せっかくなので、反応をみつつ、研究しつつ、楽しみながらよい方向へ利用していきましょう!
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デザインを科学しつくりあげ、ムダになりそうなものへ新しい価値と売上を。
この内容は、あくまで脳科学の視点によるものですので、すぐに効果の出る確実な方法などとは捉えないようお願いいたします。
抹本