①書体で行動を変えられる?


「シンプルにわかりやすく」

 


「Simple is the best!」

 


「一文は短く、読みやすく」

 

 

このような言葉をよく聞きます。

 

 

文章を書くとき、物事を伝えるときは

わかりやすく、読みやすくするようにとよく言われてきませんでしたか?

 

 

 

私は、幼い頃から文章があまり得意ではなく、一文が長くなってばかりいたのでよく聞き慣れている言葉です。

(今でも文章は長くなってしまうのですがw)

 

 

 

それで、読書感想文を書くときは、とても注意をしていたものです。

 

 

懐かしい思い出ではありますが、今でも文章は、何度か見直して推敲しないと不安にさえなるほどです。

 

 

 


さて今回は、伝えるときのわかりやすさについてお伝えしようと思います。

 

 

ただ、文章表現ではなく書体について。

 

 

 

ですので、ぜひ説明文やキャッチコピー、メニュー表などでお試しくださいね。

 

f:id:design_no_kagakusiki:20190504000714j:image


結論からはじめると、書体は、


◆行動を促すなら読みやすい書体を使う


◆商品をよくみせたい(完成までに時間がかかったことや手が込んでいることを表す)なら、複雑な書体を使う


そうすると、よりその意図を表しやすくなります。

 

 

 


行動を促すというのは、例えばエクササイズを促すときの説明文です。

 

 

何かのエクササイズに通っている方でしたらより想像しやすいかもしれません。

 

 

 

エクササイズを習ったあと、自宅でもできるように簡単なエクササイズ方法が書かれた用紙が渡されることがあると思います。

 

 

 

その用紙、または雑誌に書いているエクササイズ方法の説明文など

ぜひ想像しながら読み進めてみてください。

 

 


その説明は、読みやすい書体と複雑で読みにくい書体と

どちらで書かれていた方がやる気になりますか?

 

 


ある実験では、わかりやすい書体で書かれているものの方が、難しい書体で書かれたものに比べて

 

 

 

その内容が実行されやすいという結果が出ています。

 

 

 

実験では、ワークアウトで行うエクササイズの説明が書かれた用紙が使われました。

 


用紙の内容は同じにし、読みやすい書体と複雑なもの2種類を用意し、2つの被験者グループに渡して読んでもらいます。

 

 

 

その結果、読みやすい書体を渡されたグループは、難しい書体を渡されたグループよりも実際にそのエクササイズメニューを実行する確率が高かったといいます。

 

 

 

そして、その理由は、簡単な書体の方が情報処理や理解がしやすく、

被験者はエクササイズを実行するために必要な時間を難解な書体のもので読むより短く考え、実行しやすいものであると認識されたからだと研究されています。

 

 

 

ちょっと難しい説明ですが、わかりやすくて読みやすい書体は、読みにくい書体よりも内容が簡単に感じられ、読み手は行動に移しやすいということですね。

 

 


ただ、読みにくく難しい書体も、ものによって相手にプラスの印象を与える場合があります。

 

 

それは、例えばレストランなどのメニュー表です。

 

 

 

ここまでの内容から、読みにくい書体は、内容をより難しく大変なものだと判断されることはお分かりですよね。

 

 

 

しかし、メニュー表などでそれを目にすれば、

 

 

 

その一品は、読み手に苦労して作られたもの、大変なものだという印象を与えることになるので

 

 

 

その料理をより高度なものだと感じさせることができるんです。

 

 

 

そのため、高級なものや魂を込めて完成したようなものには複雑な書体を使うと、

 


それがより立派なものであるというイメージを与えることができるのです。

 

 


ただ、複雑な書体を使うときには、あなたがその書体を使った意図とは違うイメージが読み手に伝わりかねないので注意が必要です。

 

 

 

レストランのメニューの場合は、メニューを選んで注文するだけでよいのであまり問題はないと思いますが、

 

 

 

商品が電子機器などのようなものである場合、苦労して完成した商品だということを伝えたくて、複雑な書体を使ったとしても

 

 

 

読み手は、その説明を最後まで読んでくれなかったり、複雑で難しい商品だと認識してしまう危険性もあるんです。

 

 

 

ただでさえ苦手イメージをもつ人の多い電子機器などでは、商品の説明書きを複雑な書体で書かれていると

 

相手の中に難しい商品だというイメージを作ってしまいかねません。

 

 

 

また、難しそうな電子機器でなくとも、読みにくいと、単純に相手の読む気力を失ってしまうこともありますよね。

 

 

 

 

書体は、

◆わかりやすいものは

読み手の情報処理や理解を促し、行動も促す。

 


◆複雑で読みにくいものは

高度なもの・知的なものだとアピールする。

しかし、読み手に複雑なイメージを与えたり、内容を読む気力を失わせたりすることもある。

 

 

 

あなたが相手にしてもらいたいこと、伝えたいことなど

 


よく検討したうえで

ぜひ書体を使いこなしてくださいね。

 

 

 


次の回では、書体と覚えやすさの関係についてお伝えしようと思います。

 

 


よろしければ、またお付き合いいただけると嬉しいです。

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜

デザインを科学して、ムダになりそうなものへ新しい価値や売上を。

 

 

 

 

 

 

 


この内容は、あくまで脳科学の視点によるものですので、すぐに効果の出る確実な方法などとは捉えないようお願いいたします。

 

 

 

 


抹本