①錯覚を味方に
★今回は、錯覚効果のお話★
人の脳は頭が良くて見えないものでも、脳が予想してみえているように映したり、大切だと認識されたものを優先的に映し出したりします。
デザイン制作では、どのようなことに注意していけば脳の錯覚の性質をうまく巻き取ることができるでしょう。
〜色の錯覚〜
錯覚の中でも特に身近なものは色による錯覚です。
いきなりですが問題です。
①こちらのAとBの大きさはどのように見えますか?
...
.
.
.
若干ではありますが、よ〜くみるとBの白色の方が大きく見えませんか?
でも、AもBも円は同じサイズです。
②AとBとでは色の変化はどうでしょう?
どちらの丸がより濃く見えますか?
...
.
.
.
感じる色は、きっとBの方が濃く感じられるはずです。
でも、実はどちらの丸も同じ色。
違うことといえば、背景に使った色だけです。
このように同じサイズの形を使っていても、場合によってはサイズが違うようにみえたり、同じ色を使っていても、場合によってはそれがより明るく見えたりします。
意図しない錯覚によってデザインにまとまりがなくなってしまうこともありますので、都度調整が必要となってきます。
〜錯覚の性質〜
先ほどの問題について、人の目の性質を簡単に説明させていただきますね。
まずは問題①についてです。
明るい色(明度の高い色)お暗い色を比べると、同じサイズにも関わらず明るい色の方がより大きく見えてしまいます。
特に明度がとても高い白色はこの性質が強いです。
このような色は、膨らんで見えるため膨張色と言われます。
白色に近い色ほど、他とくらべて膨らんで見えるのです。
その反対は、収縮色。
こちらの色は、暗い色(明度の低い色)に多いです。
他の色と比べて、より小さく見えてしまいます。
暗い色の代表は黒色ですね。
黒色に近い色ほど縮んで小さく見える傾向があります。
白と黒で有名な日本の勝負があります。
あなたは、思いつきますか?
頭をフル回転させる日本の遊びです。
囲碁です!
ただ、この碁石。
比べてみると同じ大きさではないようです。
黒の碁石が白い碁石に比べて小さく見えてしまうので、見た目を合わせるために白い碁石を少し小さめにサイズ調整して作られていると聞きました。
次は問題②についてです。
これは周りの色の影響が理由です。
同じ色でも、周りの色によって明るく見えたり暗く見えたりするのです。
ある色Cよりも周りの色が明るければ、ある色Cは少し暗めに見えます。
また、ある色Cよりも周りの色が暗ければ、ある色Cは少し明るめに見える性質があります。
※ある色Cは、白・グレー・黒の無彩色に限りますが、周りの色は色のついた有彩色。
〜その他の色の錯覚〜
・彩度対比
問題②では、明度についてお伝えしましたが、同じ種類の色(色相が同じ)同士でも似たような性質があります。
同じサイズで同じ色をしたオレンジの四角があるときます。
そのオレンジの四角を同じ色の濃くくすんだ色で囲うものと、明るく鮮やか色で囲うものを比べます。
すると、周りが濃くくすんだ色の場合と比べて、周りが鮮やかな色の方は全体的に鮮やかに見え、同じ色の四角もより鮮やかな色であるかのように見えます。
・補色対比
反対色(補色)同士を並べるも、それぞれ単独でみる場合と比べて、より鮮やかに見えます。
そして、ギラギラとして見えることも多いです。
その際、特に色と色の境目がギラギラとして見えますが、それはハレーションという現象によるものです。
色がお互いに主張しあっているかのように見えます。
ハレーションによって、その色の組み合わせは目がチカチカしやすいですが、同時に注目も集めやすいです。
ただ、心地よい配色とはいえないため、意図せず使うことはおすすめしません。
ほかにも色やそれ以外の目の錯覚はたくさんあります。
それをどう活かすかは、デザインを考える上でとてもおもしろいところでもあります。
今回は、少し長くなってしまいましたので目の錯覚のほんの一部をご紹介するにとどまってしまいましたが、 別の機会にこれらをデザインや日常生活の中でどのように活用したらよいかなどお伝えしたいと思います。
錯覚は知れば知るほど、ほぉ〜と思うものばかりです。
うまく活用してデザインをつくるためには、まずはその性質を知ることが第一歩です。
第一歩ですが、とても大きな一歩になると思います。
ぜひぜひ興味をもって見ていただけたら嬉しいなと思います。
おもしろい錯覚を発見したら、どしどしコメントから教えてくださいね。
✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
デザインを科学してつくる→
ムダになりそうなものへ新しい価値・売上を
#デザイン
#目の錯覚
#明度対比と彩度対比
#色彩
#色の錯覚
#黒は痩せて見える
#デザインで付加価値をつける
#売上を上げる
この内容は、あくまで個人の経験や学習によるものですので、すぐに売り上げが上がる確実な方法などとは捉えず、こんな考え方や方法もあるという目で読んでいただけると幸いです。
抹本