電車の広告って意味あるの?
★今回は、メディアコンテンツについて★
今回は、はじめての相談コーナーです!
というのも、「電車の中の広告は、長い間変わらないことが多いし、別に購買にあんまりつながってそうにもないし、実際のところ意味あるの?」という質問をいただいたからです。
(ご質問嬉しいです!ありがとうございます)
私はここでその答えとして「意味はあります。しかも変わらないことが結構大切なのです」とお伝えしたいです。
〜長い間内容が変わらないという効果〜
電車の中に掲示されている広告ってなかなか張り替えられませんよね。
意外と掲示期間がながい。。。
短くても一ヶ月ほどは同じものが貼られているイメージです。
(私の感覚値なのでもっと早く変わるものもあるかもしれません)
ほとんどのポスターや電車のドア付近にある広告シールなどコンテンツはなかなか変わらないものが多いです。
しかも、そのコンテンツの内容といえば「購入してね」という呼びかけより、どちらかというと「こんな商品です」という商品の案内をするような情報のものが多いです。
ビールやお肉、お店の案内など。
どちらかというと商品の価格情報より商品やそのサービスの案内のものが多いと感じませんか?
それを長期間置くことの意味はあまり販売促進につながりそうにないようにも思えます。
しかし、実は大いに効果が期待されるのです。
販売促進というよりも商品のイメージアップといったほうがよいかもしれません。
同じ内容をずっと伝えてお客さんに何度もそれらを見てもらうことは、「商品をよいものだ」と説得するという観点ではあまり効果が期待できませんが、
「商品への印象を上げる」という観点からみると大きな効果をもたらしてくれます。
なぜなら、慣れた刺激であればそれだけ前向きに捉えられるからです。
あなたも私も含めて、人は目にした頻度が高いものに対して好感を抱きます。
何度も見たことのあるものや見たことのあるスタイル、デザインなど。
それを実際に手にした経験があってもなくても、たくさん見るだけでイメージアップにつながるのです。
〜ある女性の体験〜
その女性は、通勤で毎日同じ電車を使います。
同じ時間に出発する同じ車両に乗っています。
(あなたも通勤は、いつもだいたい同じ電車に乗って同じ道を通りませんか?)
そして、同じ駅に降りていつものように通路を通っていきます。
当然、その電車に貼られている広告などのコンテンツや通路で見かけるポスターやそのほかの情報を毎日欠かさず目にするものということになりますね。
そして、その女性は、それらの広告は一切みていないつもりで過ごしています。
広告の内容もその女性の意識のうえでは「知らないもの」です。
女性もまた、それらの広告の商品はみたことのないものだとしています。
しかし、実際にそのメディアに乗せられていた商品を評価してもらったところ、それらの商品をとても高く評価していたという研究の報告があります。
つまり、メディアコンテンツの情報は、お客さんに気づいてもらうというよりも、繰り返し目に入るように置いておくことに意味があるということになりますね。
置いておくことで、知らぬ間に、無意識でしっかり把握してもらえるからです。
何度も無意識で把握し、同じものをみることで、みたものに対して好感をいだきます。
まさに、電車の広告にはそのような意味があったのです。
〜なかなか情報が変わらないコンテンツ〜
なかなかコンテンツの情報が変わらない広告は、ほかにもあります。
たとえば、テレビコマーシャル、ラジオのCM、流れてくる音楽、テーマソングなどなど。
音楽に関しても同じことがいえるでしょう。
はじめて聴いて、なんとなく好きではないかんじでも、ラジオやCMで何度も聴いていると自然とそんなにイヤではなくなった経験はありませんか?
テレビのコマーシャルも何度も同じものを見ているうちに、コマーシャルに出ていた商品をスーパーでみかけたらなんとなく目がいったり、気になったり、買ってしまったり...
そのようなことが、これまでありませんでしたか?
よ〜く思い出してみると、私はとくに、ラジオやTVアニメなどで聞いた曲が次第に好きになり、自分の音楽リストに入れるほどに聴きたくなったものも結構あります。
その曲をただ一度耳にしただけではそのようなことにはならないはずで、自分の思っている嗜好と全く違う曲も音楽リストに入れたことがあります。
あなたは、どうでしょう?
〜デザインマーケティングで使いたい〜
ここまでお伝えした「同じ情報のものを置いておく・繰り返す」ことをデザインで使えないでしょうか。
使えたなら、ぜひ使いたいものですよね。
活用方法はいくつかあります。
デザインを変えることになっても、パターンを統一させたり、ロゴを必ず入れたり。
または、同じような形や柄を入れるなど。
前回につながりのある「なにか」を含ませる方法も考えられますね。
アピールする商品や情報がデザインを変える前のものと関連性のあるものなら、そのような方法で活用できます。
ただ、ガラッと変えることも時には必要なこともありますよね。
そのような時は、せめてロゴをしっかり入れておきましょう。
あなたも普段からロゴは必ずデザインよ中に入れていると思いますが、ずっと変わらないロゴを入れることは効果的です。
たとえ伝える内容やデザインが変わったとしても、ロゴをしっかり入れておけば、そのロゴに対して好感を抱いてもらいやすくなりますよね。
(アットホームなカフェ。こんなところにもロゴが!)
それによって、お客さんが商品ラベルやパッケージについているロゴを発見したときに、よりその商品への印象もよいものになるはずです。
最後に、同じ情報を繰り返す、またはずっと置いておくことへのアドバイスをお伝えさせてください。
内容によって、繰り返しがあまり必要でないものもあります。
それは、その内容がお客さんへの感情へ訴えるという場合。
情報を理解しなければならない場合と感情へ訴えかけられる場合を比べると、前者の方がそれほど繰り返さなくても好感を抱いてもらう効果が期待できるといわれています。
したがって、メディアコンテンツの設置期間が短い場合は、デザインの内容をできるだけお客さんの感情へ訴えかけるようなものにすると効率的にお客さんからよい印象を抱いてもらえるようになるでしょう。
〜まとめ〜
・内容が長期間変わらない電車の広告は意味がある。
・人は慣れたもの(接触回数が多いもの)に対して好感を抱きやすい
・感情に訴える内容のコンテンツは、理解が必要なコンテンツと比べて、繰り返しが短い期間で好感をえやすい
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デザインを科学しつくりあげ、ムダになりそうなものへ新しい価値と売上を。
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この内容は、あくまで個人の経験や学習によるものですので、すぐに売り上げが上がる確実な方法などとは捉えず、こんな考え方や方法もあるという目で読んでいただけると幸いです。
抹本