その選択、本当にあなたがしてる?
★今回は、コントラスト効果の具体的な活用について★
前々回、「コントラスト効果」についてお伝えしたことを覚えているでしょうか?
※詳しくはこちらの記事へ↓
https://design-no-kagakusiki.hatenablog.jp/entry/2019/06/19/235943
「結論を早く!」というお急ぎの方は、ちょっと変かもしれませんが、このブログの下から読んでください。
下の方でいくつかご紹介させていただいています。
〜コントラスト効果のおさらい〜
少し前にお話した内容なので、まずは、おさらいからはじめますね。
コントラスト効果とは、かんたんにお伝えすると、同じものであっても、それと何かを比べることによってそのものの印象が変わるという心理効果のことを言います。
前回の内容では、主に商品の価格についてお伝えさせていただきましたね。
例えば、タテ書きメニュー表であれば、先に目線が行く上から高い価格のものを記載して、目線の先になる下へ向かって低い価格のものを載せていくというものでした。
これによって、価格の高いものと低いものが自然とお客さんによって比べられ、同じ価格でも、単にその価格を認識するよりも、高いものを見てから認識するものの方が安く感じる、、、というものでした。
人は、物事を何かと比べることではじめてその度合いや具合について判断できるようになるのです。
少し思い出していただけたでしょうか?
今回は、ほかによく使われている例をご紹介していきます。
制作の参考にしていただけたらいいなと思います。
〜コントラスト効果の具体的活用〜
★普通編★
◆価格を変更して提示するとき◆
①1,000円
②1,990円→1,000円
①と②では、同じ1,000円でも全く感じ方が変わりますね。
もともと1,990円であったものだとわかると、非常にお得だと感じます。
雑貨屋さん、通信販売、ECサイトなど多くの場面で通用する手法です。
とくに節約志向な現代では外せないのではないでしょうか。
ちなみに、私も、欲しいものが②の表示だったら即決してしまいそうです。
そして、それに加えて、②の表示の近くに「今だけ」とか「本日のみ」などのPOPがあれば一層欲しくなりますし、購入を決めるという意味で背中を強く押されます。
◆ランディングページやコピーライティング◆
はじめに必ず定価を伝えましょう。
そして、それから商品の特徴などを説明する中で、下げた価格を伝えましょう。
ここまでお伝えしたことの繰り返しにはなりますが、はじめに高い値段を知って、そのあと値下げされた値段を知る方が断然お得感を感じさせることができます。
値段を下げる理由を一緒に明記しておくと、納得してもらいやすいです。
◆実店舗でお客さんへの商品提案◆
違う商品でも、高い商品から値段とともに紹介する。
その後、買ってほしい商品を紹介する。
例えばフリーランスの方ですと、値段交渉のときでも使うことができると思います。
ただ、交渉する際、高い値段を伝えるときに相手の受け入れがたい値段を伝えては、展開があまり好ましくない方に進むこともありますので、とくに注意が必要になります。
◆デザインにおけるカラー◆
その色をより明るく見せたい場合、その色より明度の低い(暗い)色を並べてみてください。
また、ポスターや画像の見た目をチカチカさせて、お客さんの目を引きたい場合には
補色関係にある色同士をだいたい同じだけの面積で並べてみてください。
ハレーションという現象が起きてチカチカして見えます。
これは、それぞれの色の鮮やかさが強調されるために起きる現象です。
◆web上のボタン◆
webサイトやコーポレートサイトで結果につなげるボタンはいくつありますか?
「応募する」や「問い合わせる」「資料請求する」などのボタンです。
いわゆるコンバージョン(そのサイトの目標達成)につなげるためのボタンですね。
ぜひ、ひとつのみでなく、ふたつほど並べてください。
場合にもよりますが、お客さんにとってひとつよりふたつの方が、次の行動に移しやすいからです。
どういうことかと言うと、「応募する」というボタンしかない場合は、お客さんにとって少し興味があったものであっても応募するまでの気持ちに至っていないならそこで終わりです。
そこで「資料請求する」というボタンがあれば、応募するまでの気持ちではなくとも興味があるからということでボタンを押してもらいやすくなるのです。
それによって、少なくともあなたにとっては、見込み客をゲットしたことになりますよね。
◆ちなみに...◆
デザインの現場とは少し離れたところにはなりますが、
料理やお菓子で相手により甘く感じてもらいたい、またはあなた自身がより甘みを味わいたい場合、
甘いものを食べる前にぜひ酸っぱいものを食べてみてください。
きっと、ただ、甘いものを食べるときより甘く感じるはずです。
〜おもしろコントラスト効果の活用〜
あえて、比べるものを記さずアピールることによって効果を期待するものもあります。
最後に、それについてお話しさせていただきます。
★番外編★
◆リピート率89%◆
チラシや広告で、このような文言に心当たりはありまさんか?
ただ、「リピート率89%」と書かれているだけのものも多くあります。
ただ、結果のみ書いていて、ほかに比べる数字が書かれていので、「リピート率89%」がいいのか、悪いのかよくわかりませんよね?
でも、半分以上ですし、80%よりも高いですし、微妙なラインかもしれませんがなんとなく「きっといいものなのだろうと」という気持ちになりませんか?
なんとなくではありますが。。。
そうです。
これが、あえて比べるものを記さないでおく狙いなのです。
あえて、比べるものを作らず、自分の経験から判断してもらうというものです。
人によってもちろん、差はありますが、あなたも私もだいたい今までの経験から「80%以上だといい」とか、「85%を超えているからきっといいものだ、安心だ」とか、いう気持ちが芽生えてくるものではないでしょうか。
よく学生のテストなどても、70点を超えていない場合は赤点になるなどありましたね。(私は赤点はとったことがありませんが、社会人なのでやはり懐かしいです)
「あえて、比べるものを使わない」この方法は、個人的にヘアケアや美容系の広告などにあった印象が残っています。
ぜひ、探してみてください。
〜最後に〜
ご自分の選択は、本当にあなた自身のものからなのか?
それともテクニックが効いた結果なのか?
問いかけながら広告や商品を見てみるとおもしろいので、試してみてくださいね。
〜まとめ〜
・コントラスト効果は、先に高い方を見せて後から低いものを見せると、低いものがよりお得なものだと思ってもらえる
・コントラスト効果によって、価格のみならずボタンなどほかの利用方法もある
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デザインを科学しつくりあげ、ムダになりそうなものへ新しい価値と売上を。
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この内容は、あくまで個人の経験や学習によるものですので、すぐに売り上げが上がる確実な方法などとは捉えず、こんな考え方や方法もあるという目で読んでいただけると幸いです。
抹本