売上を変える、デザイン以外の要素

数週間前に、銀座で雑貨屋さんにふらりと入って、思わず触りたくなったものがあります。

 

ちょうどそのとき、メッセージカード作りをしていて、参考になるようなものはないかと探していた時でした。

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(そのとき作っていたカード)

 

そして、思わず触れたくなるようなカードに出会いました。

 

「thank you」の文字が縫いつけてありました。

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(思わず手にとったカード)

 

調べると、紙に糸を縫ってつくるカードは、少し前から話題になっているようでした。

 

 

とにかく、思わず触れたくなりました。

そして、誰かに贈りたい気持ちになりました。

 

 

別の日、家のポストを見ると、新しいサービスを案内するハガキが入っていました。

 


その内容は、ごくごくよくある見慣れたものでしたが、一般的なペラっとしたハガキと違って


表面が少しボコボコとした、エンボス加工が施されているものでした。

 


普段なら、あまり興味のないようなハガキは内容を見ずに終わってしまうことが多いのですが、


そのときは、ちょっと内容が気になり、ハガキを左から右へ、上から下へと、
結構じーっと見てしまいました。

 

メッセージカードと案内ハガキ、2つにはある共通点があります。

 

今回はその共通点について、お伝えしようと思います。

 


DM(ダイレクトメール)に使われるハガキやチラシの用紙はさまざまあります。
※DMとは、個人や法人に商品案内やキャンペーンの内容を送付すること。または、そのメッセージのこと。

 


厚みのあるもの
加工がほどこされているもの
文字がテラっとしたもの
丸い形のもの
などなど

 


今まで見てきたものを挙げるだけでも、たくさんありますね。

 


DM用にハガキやチラシをつくるとき、内容にものすごい力を入れます。

 


どんなキャッチコピーが心を揺さぶるのか
この色を使えばきっと注目してもらえるはず、と。

 


デザインの内容を考えているときは私もものすごく考えます。

 


ただ、内容のほかにもポイントがあります。

 


今回はそのポイントについてお伝えしようと思います。

 


内容も大切ですが、内容と同じくらい、もっと力を入れてもいいほど気をつけるべきもの。

 


脳科学で考えると、人の感覚に関係するもの。

 


それは、重さです。

 

 


ある実験がされました。
その内容は、以外のとおりです。

 


-----実験内容-------------------------------------被験者たちを2つのグループに分けて、一方のグループには重さをつけた複数の書類のAを渡します。


そして、もう一方の被験者グループにはAより軽い複数の書類Aを渡し、


両グループに書類に目を通してもらうという実験です。

 


その結果、重たい書類Aを渡された被験者たちは、軽い書類Bを渡された被験者たちに比べて、

 


その書類の内容へより興味深いと判断を下したということです。

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この実験によって、人の行動は、視覚だけでなく


触って感じとる"触覚"を通した刺激によっても左右されるということがわかっています。

 

はじめのメッセージカードでいうと、それが縫い目にあたり、

 

ハガキは、重さやエンボス加工がそれにあたりますね。


DMで考えると、DMの内容だけでその人が「こうしよう、ここにいこう」と動くというわけではなく、


DMに触れた感じによっても、その人の行動が変わるということになります。

 


触覚による刺激は、人の潜在意識に働くので、触覚を刺激することはとても強いカギになり得るということです。

 


潜在意識とは、心の奥深くにひっそりとある意識といわれています。

 


本人が自覚することなく、その人の行動に影響を与える意識です。
(潜在意識については、別の回で説明させていただきますね)

 


つまり、重さをつけた厚い紙を使うだけでも、相手に潜在意識の中でより「この内容は重要だ」と思ってもらうことができるということです。

 


そして、それがDMを受けとった人の行動につながりやすいということ。

 


ちなみに、重さだけでなく、表面を触った感じでも効果はあるので、厚みをつけることができないときには


エンボス加工のような表面がボコボコする加工であったり、


硬さを出せる加工や硬い用紙を使うなどして、メッセージを受け取る人の感覚を刺激してみてください。

 


さらに、それ自体に加工や硬ささえ出せないというときは、封筒を使うのも1つの方法です。

 


例えば、封筒に伝えたい内容を書いた用紙とそれに加えて、商品サンプルなど、なにか重さが増すものを同封してみるなど。

 


そうすることで、受けとった人は、少なくとも、その封筒に興味を持つので、中を開けてもらいやすくなるはずです。

 


ほかに、脳が重く感じてしまうような、トリックのあるイラストや写真を入れるなどしてもよいかもしれません。

 


ただ、イラストや写真は、視覚的な刺激です。
直接、触覚の感覚にはならないので、できるだけ、"触れて感じるもの"がおすすめです。

 


次回から案内を作るとき、ぜひデザインの内容以外に、"触れて感じてもらえるもの"も考えに入れて作ってみてくださいね。

 


少しでも、相手にまだ気づいてもらえていないステキなものや


ムダになりそうなものに、付加価値を与えることで、より必要なものだとしてもらえるよう、私も日々学んでいきます!


一緒にがんばっていきましょう!

 

 

 


※この内容は、あくまで脳科学の視点によるものですので、すぐに効果の出る確実な方法などとは捉えないようお願いいたします。

 


抹本